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いじめ・虐待への洞察をユーモアで包む、漫画『電波オデッセイ』

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皆さんこんにちは。今回も非モテ男子の私がお勧めの本を紹介させて頂きます。

今回紹介させていただくのは、永野のりこ作「電波オデッセイ」という前世紀末にコミックビームで連載されていた漫画です。

引きこもり少女である主人公の前に、突如白衣のメガネ男「オデッセイ」という幻覚が現れ、彼の言葉に励まされた主人公が学校に復帰するところから話は始まります。

お気づきの通り、題材はかなり暗くて重いです。主人公は少し精神を病んでいるし、主に、いじめ、仲間はずれ、虐待などが話の中心になっていきます。

しかし、この電波オデッセイは、ところどころに散りばめられたギャグや、コミカルな絵柄、魅力的なキャラクターたちのおかげで、読んでいても全然暗くならないのです。その上でキャラクターの心の傷を読者の心を抉るように深く掘り下げていて、明るい時も、暗い時もとことん突っ走っていきます。

非モテ男子として紹介したいポイントがあります。この電波オデッセイでは、一人のキャラに五話前後くらい集中してスポットがあてられるのですが、その中で、ひたすら空回りするキャラクターが出てきます。彼は地味な外見とマイナス思考の性格からして立派な非モテ系ですが、行動力だけは人一倍あるのです。

空回りというとマイナスな印象を持たれる方も多いかと思いますが、私はそうは思いません。空回りとは行動した結果であり、例えそれで傷ついたとしても、その過程は経験として何かに繋がっていくのです。そして彼はそうやって恋や青春に空回りすることで、物語の狂言回しをやってのけるのです。それが物語の明るさに一役買っているようにも見受けられます。

電波オデッセイには他にもトラウマや病気、コンプレックスを抱えたキャラがたくさん出てきます。彼らはそれぞれ思いを抱え、時に傷つきながら青春を駆け抜けていきます。この作品の凄いところは、何かしらの形で彼らに救いがあることです。いくら辛いことでもひょんなことで立ち直ることが出来る、そういった人の強さも描かれていると思います。

思春期の悩みを抱える少年少女や、暗い青春をおくった方々には特に御一読いただきたいです。この漫画の作者は何故こんなに自分たちのことがわかるのだろう、と感動することうけあいです。

完結から十数年、大人になった私の本棚には、二月に復刊ドットコムより復刊された一巻が置かれています。長らく絶版でしたが、有志のご活躍により復刊の運びとあいなりました。以後、続刊予定です。これを機会に是非お読み下さい。(永野かたる)

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